


日本経済新聞 2008年3月2日掲載
肥満は万病のもと。中年になりメタボリック症候群が気になる人も多いだろう。減量の基本はカロリー制限だが、無理にダイエットすると健康を害す。 そこで注目されているのが糖尿病食。病人用で味気ないとの印象があるが、低カロリーで栄養のバランスがよく、工夫次第でいろいろなものがおいしく食べられる。
運動で消費できる熱量は限られている。例えば、ハーフマラソンを完走しても消費される熱量は1200キロカロリーほどで、ご飯約5杯分に過ぎない。
毎日続けると疲れてしまう。
人間が日常生活で消費する熱量のほぼ7割が、いすに座ったり真っすぐ立ったりしているときにエネルギーを消費する安静時代謝で、年を取るにつれて衰えてくる。
キャベツやリンゴなどをとり続ける単品ダイエットは筋肉が落ちるなど問題も多い。東京都済生会中央病院の目黒周・内科副医長は「栄養のバランスがよい糖尿病食は減量に最適だ」と言い切る。糖尿病患者に食事療法を指導するかたわら、肥満の患者に糖尿病食の利用を薦めている。
栄養失調にならないようにカロリー摂取を減らすので、肥満予防に理想的な食事となる。
糖尿病食は食材や量などを「制限する食事」のイメージが強いが、目黒副医長によると、「伝統的な和食と同じで、特別な食事ではない」。 ちょっと意外だが、「禁止されているメニューはない」という。

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「日本人の生活は、歴史の始まりから近代に至るまで、一部の特権階級をのぞいて大部分の人たちは慢性的な食糧難、つまり栄養不足の状態を過ごしてきた。ところが今は飽食の時代になった」と杤久保教授(横浜市立大学医学部公衆衛生学)は戒める。
まずは、塩分を控えること。たとえ高血圧といわれていなくてもとり過ぎているという事実がある。
肥満、耐糖能異常(糖尿病)、高血圧症、高血圧は互いに合併しやすい「死の四重奏」。現代の飽食病だ。ところが、肥満を解消するだけで、その多くが解消する。運動と食生活、特に夕食を改善し生活そのものを見直すことがビジネスマンに問われている。